都留文科大学の黒い悪魔(T)

アナウンス「都留市田原三丁目にて、悪魔が発見されました。近隣住民の方は直ちに家の中に避難してください」

 

ミチ子「え?悪魔出たの?」

サトシ「三丁目ってまさしくここじゃん!うわ、早く逃げよう!」

ミチ子「!?ちょっと・・・あれ!」

サトシ「あ、悪魔!?」

猫「にゃーん」

ミチ子「どうしよう!」

サトシ「慌てるな!とにかく、目を合わせたまま背を向けずにじっくりと遠ざかるんだ」

ミチ子「わかった!」

ミチ子「足が震えて上手く歩けない・・・」

サトシ「俺も・・・あっ!」スッテンコロリン

ミチ子「サトシ!!」

サトシ「くそ!腰が抜けて立ち上がれない!ミチ子!俺を見捨てて早く逃げろ!」

サトシ「・・・あれ?もういないんだ・・・」

猫「にゃーん」

サトシ「くそ・・・ここまでか・・・・」

ミチ子「悪魔!こっちよ!」

サトシ「ミチ子!?」

ミチ子「悪魔じゃらしを持ってきたわ!これで時間が稼げる筈よ!」

サトシ「でかした!」

ミチ子「ほら、悪魔じゃらしよ!」

猫「にゃん♪にゃん♪」

サトシ「良いぞ・・・その調子だ!」

猫「にゃん?」

サトシ「!?」

猫「にゃ~ん」スタスタ

サトシ「く、来るな!」

猫「にゃん」スリスリ

サトシ「うわああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 サトシ、全身の骨が200本折れ、死亡。

 

 

誰も気にしていないから(t)脚本版

主人公:西野千春  友達:佐藤圭

 

昼と夕方の間の頃、私は暇を持て余して5ちゃんねるを見ていた。充電器に繋がれたスマホが鳴って、私は数時間ぶりに椅子から立ち上がる。画面を見ると友人からのメッセージが何件か届いていた。「暇?」が1時間前で、「ちょっと会えない?」が1分前。私が部屋で暇を持て余している事を伝えると、「今から行くね」と返信が来た。

 

 

10分後、部屋を片付け終わって歯を磨いていたところにけいちゃんはやってきた。

部屋を片付けていたら外階段を上る足音が聞こえてきて、外を見るとけいちゃんがいる。ドアを開けるとちょうど鉢合わせになる。

千春「よ。あ、そこで靴脱いで」

圭「おけ」

千春「はい、どうぞ」

圭「おじゃまします」

千春「いらっしゃい」

圭「あれ、椅子こんなのだったっけ?」

千春「これね、この前ニトリで買ったの」

圭「へえ、座ってもいい?」

千春「うん。ていうかマック寄ってきたの?」

圭「あ、そうそう。食べていいよ」

千春「やったー」

袋を開けると中にはポテトとアップルパイが一つずつ入っていた。

千春「・・・ハンバーガーは?」

圭「無いよ」

千春「まあいいや。それで、急にどうしたの?」

圭「実はね・・・」

千春「え?何?癌?」

圭「いやいや。そうじゃなくて」

千春「じゃあ何よ」

圭「私、整形しようかなと思ってるの」

千春「なんで?」

圭「そりゃまあ、顔が嫌いだからよ」

千春「ええ~。なんで?あなたの顔、私は好きだけど」

圭「自分で好きになれたらよかったんだけどねー」

 

千春「もう整形する気満々って感じなの?」

圭「まあね。もうどこの病院にしようかとか選び始めてるところ」

千春「そっかぁ、それじゃあ、もう今のけいちゃんとは会えなくなってしまうのね」

圭「そうだね」

千春「じゃあ今のうちにツーショット撮ろうよ」

圭「スノウにしてよ」

千春「それじゃあ意味なくない?」

圭「えー。加工しないとブスすぎて死にたくなるもん」

千春「容姿に自信無さすぎじゃない?」

圭「メタ認知能力が高いだけだよ」

千春「そっか・・・」

圭「てか今日めっちゃ天気良くない?」

千春「ほんとね。せっかく朝から起きてたのに家に引きこもってて後悔した」

圭「何やってたの?」

千春「ゲーム」

圭「ゲームかぁ」

千春「そうだ。今からお散歩行こうよ」

圭「いいね。行こう」

 

圭「高校の時から自分の顔が嫌いだったんだよね」

千春「それは知ってるけど、大学入って可愛くなったじゃない」

圭「それはそうなんだけどね。コンプレックスって、そう簡単には消えないみたい」

千春「そっか」

圭「私、周りの目とか気にしちゃうタイプだし」

千春「そんなの自己暗示でどうにかなるよ」

圭「自己暗示って・・・そんなことできるの?」

千春「できるできる。見ててね」

千春はおもむろに道路に寝っ転がって空を見上げる。

圭「え?ちょっと、何やってんの?」

千春「いやー。今日は本当に良い天気だねぇ」

圭「ちょっと、まじで恥ずかしいよ、早く起きてってば」

千春「大丈夫大丈夫。誰も私の事なんか見てないから」

圭「いや、流石にみんな見てるよ」

千春「本当に?よく見てごらん」

田舎の街だから閑散としているが、周囲に二、三人ほど人はいるようだ。

圭「なんか、目を背けてるよ」

千春「ほらね」

圭「いや、やばい人だと思われてるだけだよ!」

千春「誰にも迷惑かけてないんだから、別に良くない?道路に寝たらいけないなんて法律は無いんだし」

圭「それはそうだけど・・・」

千春「ほら、一緒に寝っ転がろうよ」

圭「いや・・・」

千春「早く」

圭「えー・・・じゃあ一瞬だけね?」

千春「よしよし」

圭「うわー、恥ず・・・」

千春「あの人達はみんなNPCだから大丈夫」

圭「NPCって何・・・」

千春「ロボットって事」

圭「うーん・・・」

 

男「大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

男「あ、そうですか・・・ちなみになんでこんな場所に寝っ転がってるんですか?」

「ちょっと道路で寝っ転がりたいなと思って」

男「なるほど、それは良いですね」

「一緒に寝っ転がります?」

男「いえ、僕は遠慮しておきます」

「あ、ねえ。この子の事、可愛いと思います?」

男「え?はい。可愛いと思いますよ」

「ほら、かわいいってさ」

「そりゃ初対面の人にブスなんて言える訳無いでしょ」

男「ははは。そりゃそうだ。でもお世辞抜きで可愛いですよ」

「・・・いい人ですね」

男「どうも。あ、よかったら写真撮らせてもらえませんか?」

「えー」

「ぜひぜひ!好きなだけ撮ってください」

男「ではお言葉に甘えさせていただきます」

男「ほら、どうですか?いい感じに撮れましたよ」

「うわー、めっちゃ良いじゃん」

「写真上手ですね」

男「ありのままを切り取っただけですよ」

「なんか盛れてる気がするけど・・・」

男「そんな筈無いですよ。あ、iPhoneのカメラは周辺が歪んで不細工に映ったりするからその違いかもしれませんね」

「へぇー、初耳」

「あの、この写真送ってもらってもいいですか?」

男「もちろん。LINE教えてもらえる?」

「はい!」

「あ、きた・・・」写真を見てニヤける

男「それでは僕はもう行きますね。またどこかでお会いしましょう」

 

「良い人だったねぇ」

「うん。写真家なのかな」

「そうじゃない?なんか高そうなカメラ持ってたし」

「ねえ、ちょっとコンプレックス解消されたんじゃない?」

「まあ、ちょっとね・・・」

「整形やめちゃう?」

「やめちゃ・・・・おうかな?」

「えぇ、まじ?」

「自分の魅力に気づいてしまったかもしれない」

「せっかく私が地面に寝っ転がったのに!」

「まあ、そのおかげであの人に出会えた訳だからさ」

「確かに。じゃあ私のお陰だね」

「え?うーんまあ、そうかも」

「じゃあお金浮くし、ご飯奢ってよ。私ハンバーガー食べたい」

「え?いやそれとこれとは別じゃない?」

「ほら、早く!お店閉まっちゃうよ!」

 

私は繋いだ彼女の手を強く握り、引っ張って走る。

坂道を下ればハンバーガー屋さんはもう目の前だ。

 

挨拶

部長の土屋です。なもメン(なもやまメンバー)の皆さんに挨拶をします。

なもやまの名前の由来は『なも?やまはわさまさか』から来ていますが、『なも?やまはわさまさか』が何であるかを知る者はいません。でも、なんか四方山話(種々雑多な話。世間話)に似ていて良いですよね。日常や恋愛、ホラーまで。四方山話のように様々な映画を撮れたらいいなぁと思います。

僕は何かを計画するのが苦手で、真剣に何かに取り組むのも苦手で、だから既存のサークルには入らず自分で自分の為のコミュニティを作りました。僕の撮りたい作品を僕が現場で脚本にし、僕の納得した人を使って、好き放題に映画を制作します。なもメンから貰った小説は一応ストックしますが、当然僕の作品が優先です。これは部長の特権です。平なもメンの作品の映画化は日頃の貢献度の高い人から優先しようと思っています。

映画制作サークルの目的は映画を制作する事ですが、一番大事なのはみんなで制作過程を楽しむ事であって、良い作品が作れるかどうかははっきり言ってそんなに重要ではありません。なので、撮った作品は公開せずなもやま内だけで鑑賞して楽しむ、という感じでもいいかなと思います。

僕は、頭と手を使いながらみんなで協力して作業し一つの物を作り上げる映画制作という営みは、大学生ができる事の中でも最も尊い事の一つなんじゃないかなぁと思っています。みんなで協力して、芸大や映画大学の作品を超える名作を作りましょう。

これからどうぞよろしくお願いします。

ミステリー(T)

文芸部の女子高生の話

部長が殺されて死ぬ 犯人は不明

大学生になったJK3人 久々に集まる

最後に作った部誌を見つけて懐かしむ

一行だけ内容が違う事に気づく

家に帰って持ってきたら三人ともその行だけ違う

謎を解くと殺した犯人が判明する

 

という話を誰か書いてくれ

街(T)

僕は猫である。名前はどこかに置いてきた。

時々誰かの部屋に入れてもらうことはあるけど、飼い猫って訳じゃない。

 

「ほら、早くおいで。誰かに見られたら怒られちゃう」

 

彼女は大きな扉をなんなく開け、僕はその隙間から部屋に入った。彼女はソファに座り、僕は彼女の膝に座る。布越しに伝わる暖かさが、冷えた体に心地よい。今日も彼女からは良い匂いがする。どこかで、何度か、嗅いだことのあるような、あの甘い匂い。僕はその匂いが嫌いではなかった。

その日、彼女は僕を抱きしめて言った。

「ごめんね」

僕は賢い猫だから、彼女が何を言っているのかがなんとなく分かった。

坂の上の空き地の木にピンク色の花が咲くと、いつも誰かがいなくなる。だから、あれは多分、お別れの言葉だ。

僕の思った通り、それから彼女の姿を見かけることは無くなった。

餌はおばちゃんがくれるし、通りすがりの大学生はいつも構ってくれる。でも、やっぱり何か物足りなかった。

「あれ?にゃん次郎、こんなところまで来たの?珍しいね」

「遠出かな?」

「気を付けてね~」

ある日の夕暮れ時。住宅街を歩いていると、急に彼女の匂いがした。

僕は匂いのする方へ向かって走った。でも彼女はいなくて、匂いだけが漂い続けていた。まるで街がこの香りを纏っているみたいに思えた。もしかして、彼女は街になってしまったのだろうか。いや、そんな筈は無いよな。でもこの匂いは、間違いなく彼女の匂いだ。

匂いのする方へ向かって歩くと、一本の木が立っていた。匂いの正体は彼女じゃなくて、オレンジ色の花だった。

木に近づいて、花の香りを嗅いでみる。ああ。懐かしい香りがする。もしかして、彼女は花の妖精だったのかな。だから急に消えていなくなっちゃったのかな。

きっともう彼女には会えないのだろう。もうあの暖かい膝に座ることはできないのだろう。あの優しい声で名前を呼んではもらえないのだろう。そう思ったけど、でも・・・でも、ここに居れば、あの穏やかな匂いに包まれていられる。

目を閉じると、本当にそこに彼女がいるように思えた。そうだ、今日はこの木の下で眠ろう。そうすれば、夢で彼女に会えるような気がするから。

 

ヒグラシの声がだんだん遠ざかって、僕は永遠に彼女の猫になった。

 

観覧車(T)

うわー。すごい。なんだか、ハイテクな拷問器具にかけられてるみたい。
何その表現。でも確かに、言われてみるとそう見えるかも。悲鳴上げてるし。
僕は乗りたくないなぁ。
私はちょっと乗ってみたいな。
えー、・・・じゃあ乗る?
いやいや、いいよ。可哀想だし。
ありがとう。じゃあ代わりにあれ乗ろうよ。
・・・あれ?
うん。せっかくだから。
そうだね。せっかくだから。
わー。すごい。富士山が綺麗に見える!
ほんとだね。
ねえ、なんかロマンチックじゃない?観覧車で二人。
・・・そうだね。でも文学部なんだから、もっと文学的に表現してみてよ。
いいよ。ちょっと時間ちょうだい。
 
さて、君は知らないだろうけど、この観覧車はタイムカプセルなんだ。嘘はついてないよ。きっといつか分かる日が来る。君は将来・・・と言っても何年後かは分からないけど、またこの観覧車に乗る事になる。これは決して覆す事の出来ない決定事項なんだ。それで、君はあるきっかけで「あ、そういえば前にも乗った事があるな」と思い出す。きっかけっていうのはある合言葉なんだけど、要するに「開けゴマ」みたいなものかな。合言葉によって、観覧車のタイムリープ機能は起動し、今の君と過去の君は入れ替わる。その合言葉を、今から君に教えてあげる。この言葉は今と未来を繋ぐ大事な鍵になるから、決して忘れないで欲しいんだ。それじゃあ言うね。
「現在過去未来の」
じゃあこの続きは、また何年か後の未来で。
 
 
少し大人になった女が一人、観覧車でつぶやく。
 
「君を愛してる・・・かなぁ」

大学の孔子(T)

YouTubeを見ていると、時々再生数が一桁なのに何年もずっと動画投稿を続けているチャンネルに出会う。僕はそんなチャンネルを見かけては、心の中で(頑張れよ)と呟き、そっとその動画を閉じる。高評価やチャンネル登録はしないけど。それは「自分を必要としてくれる人がいるならその人の為に頑張り続けよう」という優しさなのか、それとも承認欲求なのか、単なる暇つぶしなのか。もしかしたらこの人達も本当はやめたいと思っているのかもしれない。でも自分がそれをやめてしまえば誰かが悲しんでしまうからやめられない。とか思ってずっと続けているのかもしれない。それは僕には分からない。ただ、何か一つの事を続けられる人というのはやっぱりかっこいいなと思う。

さて、実は、僕の大学の友人にもそういう奴がいるんだ。

 

僕「おはよう、田中君」

田中「朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや」

僕「ありがとう。まあ僕のアパート大学から徒歩3分だから全然遠方じゃないけどね」

田中「・・・」

僕「あ、てかごめん、スマホの充電するの忘れちゃってさ。バッテリー貸してくれない?」

田中「義を見てせざるは勇無きなり」スッ

僕「ありがとう。助かる」

田中「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」

僕「まだ死にたくは無いなぁ」

 

玉井「あ、いたいた!孔子君!」

僕「あ、玉井さん」

田中「?」

玉井「相談したいことがあるんだけど、良い?」

 

田中「・・・」コクリ

玉井「実は昨日合コンに行ったらイケメンに口説かれちゃってさ~。その人すごい褒め上手でめっちゃ褒めてくれたんだよね~。付き合っちゃっても良いと思う?」

田中「巧言令色鮮し仁」

A「・・・?えっと」チラッ

僕「言葉巧みで、人から好かれようと愛想を振りまく奴は誠実じゃない。つまりその人は信用できないって事だね

玉井「そっかぁ。孔子君が言うなら間違い無いね!ありがとう!」

 

田中「」コクリ

玉井「顔回君もありがとうね」

僕「あの、弟子じゃないです」

 

吉川「あ、孔子君」

田中「?」

吉川「ごめん、ちょっと久々に相談乗ってくれない?」

田中「」コクリ

吉川「将来何もやりたい事が無くて一応教職取ってるんだけどやっぱり忙しいからやめちゃおっかなって考えててさ、どうしたらいいだろう」

田中「遠慮なければ近憂あり」

吉川「えっとつまり・・・?」チラッ

僕「遠い将来の事をちゃんと考えないとすぐに困る事が起こるよって事だね」

吉川「なるほど・・・分かった。もう一回真剣に考えてみるよ。ありがとう孔子君!」

田中「」コクリ

吉川「子貢君もありがとう!」

僕「あ、子貢じゃないです」

 

 

 

昼休み

 

「おんめぇ、ふざけんな!食いすぎだっぺ!」

「はぁ?おめぇが一口あげるっつったんだべ?オラの一口舐めんなっぺよ」

「なんだとぉ・・・・!ぶっ飛ばしてやらぁ!」

「上等だコラァ!」

僕「うわぁ、喧嘩だ!」

田中「・・・」スタスタ

「あん?なんだテメェ・・・あ、孔子君か」

孔子君?なんかおいら達に用だべか?」

田中「過ちて改めざる、是を過ちという」

「あん?つまり・・・仲直りしろって事か?」

「まあ孔子君がそう言うなら・・・」

「そうだっぺな。おらが悪かっただ」

「そだなことねーべ。おらが悪かっただよ」

僕「えぇ・・・なんだこれ」

田中「」スタスタ

僕「あ、待ってよ。すごいね田中君。君って本当に孔子みたいだ」

田中「君子は人の美を成す。人の悪を成さず」

僕「かっこいいなぁ」

 

青木「あ、田中君!」

田中「?」

青木「ねえ、ちょっと話があるんだけど、良い?」

田中「」コクリ

青木「ちょっとこっち来て」

僕(こっそり着いて行こう)

青木「田中君の事がずっと前から好きでした。私と付き合ってくれませんか?」

僕(えええええ突然の告白!?まじかよ!!)

田中「賢を見ては斎しからんことを思ひ、不賢を見ては内に自ら・・・」

青木「田中君、まじめに返事してくれない?」

僕「そうだよ田中君。こういう時くらいちゃんと自分の言葉で言った方がいいよ」

田中「己達せんと・・・」

青木「もういい!田中君なんか嫌い!」

僕「あっ、青木さん!」

僕「ちょっと田中君!このままじゃ後悔するよ!早く追いかけなよ!」

田中「一を以て之を貫く」

僕「田中君!本当に良いの?青木さん泣いてたよ?」

田中「・・・」

僕「・・・ねえ、田中君。孔子が好きなのはわかるけど、それ不便じゃないの?決まった言葉しか喋れないし、それじゃあ友達もできないよ」

田中「徳は孤ならず必ず隣あり」スッ

田中君が何故孔子になってしまったのか、僕にはわからない。でも、やっぱり強い信念を持っている事だけは分かった。だから僕は田中君の気持ちを尊重しようと思う。

僕「田中君・・・」スッ

僕は田中君と固い握手を交わし、心の中で(頑張れよ、田中君)と呟いた。