猫と女の子のジレンマ(T)
「この前、近所の野良ネコが可愛かったからつい餌あげちゃってさ、それからしばらく部屋の前に来てはニャーニャー鳴かれて困ってたんだよね。猫ってのは、一回餌やったくらいで懐くんだな」
「へぇ。でもそれは仕方ないと思うよ。そりゃあ猫だって、餌くれる人なんだって、この人は優しい人なんだって勘違いしちゃうよ」
「そうかもな」
「あ、そろそろ終電だから私帰るね」
「え?泊って行かないの?」
「そう思ってたけど、やめた」
「なんで?あ、もしかして下手だった?ごめn」
「うん?いやそうじゃなくてさ。帰ってほしかったから、その、猫の話をしたんじゃないの?」
「・・・ああ、なるほど。はは、うーん、そっか」
「?」
「君に見せたいものがあるから、ちょっと待っててよ」
「何?」
「ほら、かわいいでしょ」
「わぁ・・・!かわいい。この子、さっき言ってた野良ネコ?」
「うん。可愛かったから、飼うことにしたんだ」
「そうだったんだ・・・ごめんね、憶測で変なこと言っちゃって」
「それで、今日は泊ってく?」
「うーん・・・どうしようかな~w」
「泊ってってよ、お願い。本当に好きなんだ」
「・・・ふふw」
「あははw」
「・・でもごめん、今日は帰るね」
「・・・・・え?」
「だって私、猫アレルギーだもん」