騒音アパートメント(t)

つい先週だった。僕が初めて本気で人を殺したいと思ったのは。

ジャカジャカジャンジャカジャカジャンジャカジャン

「ああああああ!!!!!!!!うるせえええええええええ!!!!!」

大学生になり一人暮らしを始めた僕は、大学の近くにある安アパートを借りた。運の悪い事に右隣の部屋の住民がギターを弾く為毎晩うるさくて眠れず、睡眠不足になってしまっている。何度大家さんに苦情を言っても一向に改善されない。もういっそぶち殺してしまおうか。本気でそう考えていると、今度は上の部屋からベースの音が聞こえてきた。「はぁあああ??????」どうやら右隣の部屋から聞こえるギターに合わせて演奏しているらしい。2ピースバンドになってしまった。一週間後、3ピースバンドになっていた。下の階の住人がドラムを叩き始めたのだ。上と下と横と、いろんな方向から音がしてきて本当にうるさい。俺は一体どうしたらいいんだろう。さらに数日後、左隣までもがキーボードを弾き始め、バンドは4ピースになった。だから僕も歌うことにした。このイントロは・・・『TWIST&SHOUT』か。こいつら、どうやらビートルズが好きらしい。僕が叫ぶ。「Well,shake it up, baby, now!」右左上下から「shake it up, baby♪」とレスポンスが返ってきた。「Twist and shout!」「Twist and shout♪」歌っていたら段々楽しくなってきた。僕は時間も忘れて夢中になってビートルズを歌った。すると突然窓から50人の忍者が部屋に入ってきて、僕に向かって手裏剣を投げた。僕は49個の手裏剣をなんとか避けたけど、最後の一つがおしりの穴に刺さってしまった。そう。勘の良い読者はもうお気づきかもしれないが、僕のアナルは人工肛門なんだ。嘘のようだろ?本当の話なんだぜ、これ。